京都・市井日記365

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zoom RSS まちの書店考

<<   作成日時 : 2007/11/06 17:49   >>

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 久しぶりにまちの書店を20店ほど廻ってみた。よく通った丸善もなくなり、万年筆の修理もままならない。この3年間で私の知る書店も10店以上が消えた。山科、西京区あたりでは書店を探すのに苦労する。いまでもバイクや自転車で宅配を続けて、一生懸命店を守っているのがまちの書店主だ。
 これまでも、幾度もまちの書店の危機は指摘されてきた。きょうも中京区のある書店で話をしていると、近所のご婦人が大手新聞の広告を持って入ってきた。「この本がほしいのですが」、「ああ、その本いま売り切れてますねん、すんませんなあ」。みるといま話題のベストセラーの広告だ。
 このようなベストセラーは小さなまちの書店には、なかなか配本されないのだ。大手書店にはやまほど平積みされているが、まちの書店には回さないのだ。おかげでまちの書店は、否応なしにムック本とアダルト本が幅を利かすことになる。「私らが子どもの頃には、よく店番したものだけど、これじゃ子どもに店番を頼むわけにもいかない」と、店主も苦笑いする。
 本が好きで、いずれも本屋は文化の一端を担うと自負してスタートした店が多い。いまは子ども向けの絵本が置かれているところも少なくなった。私たちが子どもの頃には近所の本屋さんにもクルクルと廻るスタンドがあって絵本が陳列されていた。ほどよい高さで子どもでも選べるようになっていたものである。いまでも確か千本丸太町東入るの萬字堂にあったと思う。丸太町馬代のランボーも子ども向けの本には力を入れているし、他でもがんばっている書店がある。
 「ことしの5月連休明けくらいから、売上の落ち込みは急激です。正直、もう限界かなと考えていますよ。借金さえなければとっくに廃業していますがね」と、店主も深刻だ。華やかなIT分野、老舗の店、商店街等々、ゼミ学生を入れて勉強がてらにサポートさせる大学教授も多いが、本屋の現状を分析し、将来方向をまちの本屋さんと一緒に研究している学者は聞いたことがない。私から言わせると実にいい加減な東販、日販などの流通業界の体質ももっと問題にされるべきだと思うが、哀しいかなまちの書店主自体がもう疲弊しきっているところが気になる。
 「自分たちの代で終わりにします」という書店主の声をよく聞く。儲かる家業であれば息子達も喜んで継ぐだろうが、どうみても儲かる奥の手は生まれてきそうにない。努力しろ、と言ったところで、齢60を超えたご夫婦のお店がほとんどで、なかには防犯ミラーはあるものの映っている人がよく見えない、とこぼす老女が店番をしているところもある。このような人にインターネットを活用してといったところで無理があろう。
 新刊の大手書店集中から万引き、後継者、活字離れなど、まちの書店経営者の志は無惨に打ち砕かれつつある。しかし、なかには地域密着に徹して、注文を受け付け、宅配したり、保育園や小学校での読み聞かせなど努力を積み重ねている書店主も少なくない。書店を訪ねるたびに棚の上段が空き、アダルト本が増えているのをみるのは本当に辛い。きょうも何か出来ることはないものか、と考えさせられた一日だった。

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